シリーズ Ziv Medical Center 緊迫した状況の医療現場

2019.03.20 Wednesday

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    ツィヴィ病院について

     

    ツィヴィ病院というのは、北ガリラヤ地方にあり、シリアとの国境から近い町にある中規模の病院です。この地域の人口は約25万人です。

    通常は、周辺の小さな町や村からの患者を見ており、それほど複雑で難しい治療は行うこともないところです。実際、周辺の住民の出産や通常の病気の治療などが主な仕事でした。

    この地域の特徴は、多文化多民族地域であるということです。ユダヤ人、アラブ人、 キリスト教徒、ドゥルーズ、ベドゥイン、クルド人等、小さな地域に隣り合って暮らしています。

    民族の多様性は住民や患者だけでなく、医者や医療スタッフも同様です。

    シリアの国境から30Km、レバノンの国境からは11Kmという、いずれの国境からも近い町です。

     

    病院規模についてですが、ベッド数が331、集中治療ベッドが22、医科が47、スタッフが1200人となっています。

    2014年の実績を見てみると、入院延べ日数が89,000日、救急医療が77,000回、往診が220,000回、病室の平均占有率が90%、平均入院日数が4日、手術回数が7,600、出産が3,600回となっています。ここで、病室の占有率90%という数字は、常時殆ど満室状態ということです。出産のために10%は空けて置かなければならないからです。

     

     

    <Ziv Medical Center関係者へのインタビュー映像>

     

    (患者の話)

     

    私達はトラックを運転していました。突然地雷を踏んでしまいました。父は私を国境近くまで連れてきました。反政府軍が私達を乗せて、イスラエル軍にまで届けてくれました。

     

    (ユダヤ人の医者の宣誓)

     

    あなたは患者を助けなければならない。

    改宗者か異邦人か市民か、

    卑しいものか尊敬に値するものであるか、

    別け隔てなく扱わなければならない。

     

    (院長 オスカー エルボン博士Dr. Erbon)

     

    私達は自分たちの価値観を、このような人道的な活動で発揮すべき機会であると思っています。私はこれに誇りを持っています。

    シリアとイスラエルの紛争にも関わらず、高いスキルを持ったイスラエルの医療スタッフが、終の見えないシリアからの多数の患者を、献身的で妥協することなくプロフェッショナリズムで治療にあたっています。

    それは、世界的にも最高水準の医療技術です。

     

    (医療スタッフ) 

     

    医療は政治的見解や国境・信仰などを越えます。負傷者の多くは、瀕死の重症から回復できたことで、治療に感謝しています。

     

    (小児科 ミハエル ハリリ博士)

     

    私達は一人ひとりを治療しています。

    どこから来たのか、どうやってここまでたどり着いたのか、そういうことは関係ありません。

     

    (院長 オスカー エルボン博士Dr. Erbon)

     

    私達は誰も敵を作ろうとは思わない。

    私達はこの地域に平和をもたらしたい。

    治療や薬を提供することは、この目的を達成するために、大変すぐれた方法です。

     

     

    映像についての説明

     

    映像を見て、二つのことに気づかれたと思います。

    一つは、子供の患者の顔にモザイクがかけられていて、誰だかわからないように編集されていることです。

     

     

    この理由は、誰であるかがわかってしまうと、イスラエルで治療を受けたことが知られて、命が危険にさらされる可能性があるからです。

     

    このため、病院のスタッフは患者の個人情報が漏れないように、細心の注意を払っています。小さな子供で、思わず「イスラエルで治療を受けた」と言ってしまうかもしれない場合は、イスラエルではなく他の国、例えばブルガリアとかに来ているのだよ、とわざと違うことを教えることもあります。

     

    二つ目に気づくことは、イスラエル国防軍の制服を着た兵士が、負傷患者を病院に運んでくる作業に従事しているということです。

    普通の国、日本のような先進国であれば、病院のスタッフがこのような仕事を行うものですが、ここでは状況が全く異なります。

     

     

    イスラエルの病院に連れてこられる患者は、すでに末期症状の患者で、最後の希望を抱いて危険を犯してシリア国境にやってきます。そこで、イスラエルの特別な車両がやってきて、患者を乗せ、病院に連れて行きます。これは秘密の行動ではありません。シリア側との連絡方法があり、それに従って患者の引き渡しを行うのです。

     

    しかしイスラエル兵士の側にも非常に大きな危険があります。現下の状況では簡単に爆弾や罠を仕掛けられたりする可能性があります。それでも兵士は承知の上でできるだけの努力を行っています。

    患者は必死に治療を求めており、兵士は患者を拾って病院へと連れて行きます。

    どうやってどこにいつ患者がやってくるのか、というようなことはどうしてわかるのか?と疑問に思うでしょう。

    多くの場合、シリアの医者が行けと指示を与えます。

    国境まで行けば、向こう側で受け入れてくれるようになっている、と。

     

    初めからすでに非常に損傷の激しい状態の患者であり、国境まで行くのにさらに1週間以上もかかることもあるので、国境までたどり着いた時には既に悲惨な状況になっています。

    最初のシリアの患者がツィヴィ病院に来た時には、これは例外的な一回限りのことだろうと考えましたが、実際にはそれ以後今日に至るまでにこの病院では480人の患者を見てきました。

    この病院に限った統計では、この450人のうちの90%は男性、10%は女性でした。また、子供は全体の17%でした。

    もう一つ知っておくべきことは、ひとつだけの問題を抱えて来る人は一人もいないということです。

    例えば、目を一つ、手と足を一本ずつ失った状態で来る、などということもあります。信じられないような複数の負傷を負ってやってきます。到着するとすぐに集中治療室に運ばれ、複数の手術を立て続けに行うことになります。

     

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