中東国家の理解 レバノン編 4.パレスチナ解放機構(PLO)の流入で複雑化したレバノン情勢

2019.04.29 Monday

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    1958年にはアラブ民族主義の台頭を背景にレバノン国内でイスラム教徒による内乱 が発生する。しかしこの時はアメリカ海兵隊が派遣されてすぐに鎮圧された。

     

    だが事態はさらに悪化する。度重なる中東戦争(イスラエルとパレスチナの戦い)、さらに1970年に発生したPFLP旅客機同時ハイジャック事件をきっかけにヨルダンではパレスチナ解放機構(PLO)を追放する動きが発生する。

     

      

     パレスチナ解放機構(PLO)        イスラエル、ヨルダンとレバノンの位置関係

     

     

    これによって多数のパレスチナ難民(イスラム教スンニ派)がレバノン国内に流入。

     

    イスラム教徒数の急激な増加によってレバノン国内の政治バランスが崩れ始めた。

     

    国内に国軍以上の軍事力を持つパレスチナ難民が存在しているという状況に、政権を握っているキリスト教マロン派からは懸念が示され、武力闘争によって難民を追放しようという動きも出てきた。

     

    しかし強力な武力を持つPLOがレバノン国内に流入した結果、流血の事態を恐れたレバノン政府は、PLOに対して自治政府なみの特権を与え、イスラエルへの攻撃も黙認する事となった。

     

     

      

    PLOのゲリラ達

     

    これは当初、PLOと政府の間で極秘に取り交わされたが、マスコミに暴露された結果、レバノン社会、特にキリスト教マロン派に衝撃を与えた。

     

    このレバノンとPLOの協定の結果、レバノン南部にPLOの支配地域が確立。

     

    レバノン国軍にPLOを押さえ込む力が無かったがための措置だったが、イスラエルには明確な敵対行動としか映らなかった。

     

    イスラエルは空軍及び特殊部隊を用いて南レバノンやベイルートを攻撃。

    当時のレバノンは一定の空軍力を保有していたが、政治力学的にレバノン国軍はこれに報復する事はできなかった。

     

    一方、イスラエルに反撃できないレバノン政府の姿勢はレバノン国内外のイスラム教徒の怒りを買う事となった。

     

     

    結果、優位保守を主張するキリスト教マロン派と、政治力強化を欲するイスラム教信者・パレスチナ難民との間で対立が激化する。

     

    キリスト教マロン派はアメリカ・ソビエト連邦から様々な重火器を調達し、既存の民兵組織を強化した。

    また、イスラム教徒もPLOやシリアから軍事支援を受け入れ、アマル(シーア派)やタウヒード(スンナ派)といった民兵組織を構築していった。

     

    高級なリゾートホテルが立ち並ぶベイルート港に、次々に新品の軍用車両や火砲が荷上げされるという不気味な風景が1970年代前半に数多く見られる中、1975年に内戦に発展した。

     

     

    5月19日はレバノンが舞台の中東映画会です! 入場無料‼

     

    〜以下案内〜

     

    中東平和フォーラム定例会

    中東映画勉強会

    〜Lebanon(レバノン)〜 

          

    『判決、ふたつの希望』

     

     

     

    ジアド・ドゥエイリ監督・共同脚本による2017年のレバノン映画。

    第74回ヴェネツィア国際映画祭カメル・エル・バシャが男優賞を獲得。

    第90回アカデミー賞外国語映画賞にレバノン代表作として出品、ノミネート

    2018年8月日本公演で大ヒット。

    日時  5月 19日(日)

       18:15  開会     

    18:30  上映開始

      20:30  解説、懇談

     

    入場:無料

    会場 日本橋公会堂

    2階 第三第四会議室

    裏面に案内図があります

     

    皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

    *参加される方は 小林(090−3963−9698)までご連絡ください

    主催:特定非営利活動法人中東平和フォーラム

    電子メール:info@mepf.jp
    電話: 03-3249-2443
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    新しい感動を受けるほど、人間関係を理解するのに役立つ映画。
    とてもしっかり作られていて感動しました。 ★★★★★  〜映画.COM〜

     

    見なきゃいけない映画だと思うし、観るべき価値もあった。
    対岸の火事ではなく、誰もが抱えるであろう火種の話でもあった。
    アカデミー作品賞を撮って欲しいとさえ思う。 ★★★★★  〜映画.COM〜

     

    中東の紛争の中で、奇跡的に前進していくレバノンの歴史や個人の尊厳がスリリングに描かれていました。
    よくもこんなに整理して、しかも面白く作ったなと感嘆させられました。
    日本人も気になる、他国とどう向き合って行くか考える参考になります。オススメです。 

    ★★★★★  〜Yahoo映画〜

     

     

     

     

     

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    中東国家理解 レバノン編 3.国家でありながら宗派社会のレバノン

    2019.04.25 Thursday

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      キリスト教マロン派、イスラム教ドゥルーズ派、イスラム教シーア派、スンナ派、キリスト教ギリシャ正教などの各宗派はレバノン国内では圧倒的な多数派を形成せず、いずれもがほぼ同じ配分で存在する宗派社会であった。

       

      政治的影響を懸念して、レバノンでは過去に2回しか国勢調査が行われず、フランス統治時代の第二次世界大戦中に食糧配給のために調査したものは非公開、公開がなされたのは1932年の調査のみであり、これはキリスト教6:イスラム教5という比率であった。

       

      この時の国勢を根拠として独立時に「国民協約」と呼ばれる紳士協定が結ばれた。

      これは大統領はキリスト教徒、

      アウン大統領(キリスト教マロン派)

       

       

       

       

      首相はスンナ派、

       

      ハリリ首相 (イスラム教スンナ派)

       

       

      国会議長は同シーア派……

       

      ベッリ国会議長(イスラム教シーア派)

       

      というように宗派ごとの閣僚・議席のポストを配分したものであった。

       

      これは不文協定であり、暫定的であって国勢調査に基づいて変動が行われるという条件であったが、実際に国勢調査は行われず、イスラム教徒の増加を無視する形でこの「国民協約」に則った国家運営が続けられた。

       

      このことが不利な立場を強いられるイスラム教徒の反発を買った。

       

      また、レバノンに存在する宗派社会はベイルートを除けばそれぞれ住み分けを行っており、集落・学校・社会風習はもとより、軍隊の各部隊までも宗派別に区分されるという有様であった。

       

      この事は、統一された国民意識の発達を阻害し、国家よりも自分が所属する宗派に従うという事態を生んだ。

       

      こうした国民意識の希薄さは同内戦におけるシリアやイランの介入を誘き寄せる事にもなった。

       

      5月19日はレバノンが舞台の中東映画会です! 入場無料‼

       

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      『判決、ふたつの希望』

       

       

       

      ジアド・ドゥエイリ監督・共同脚本による2017年のレバノン映画。

      第74回ヴェネツィア国際映画祭カメル・エル・バシャが男優賞を獲得。

      第90回アカデミー賞外国語映画賞にレバノン代表作として出品、ノミネート

      2018年8月日本公演で大ヒット。

      日時  5月 19日(日)

         18:15  開会     

      18:30  上映開始

        20:30  解説、懇談

       

      入場:無料

      会場 日本橋公会堂

      2階 第三第四会議室

      裏面に案内図があります

       

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      中東国家理解 レバノン編 2.中東唯一のキリスト教国家

      2019.04.20 Saturday

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        歴史的にキリスト教徒の多かったレバノン。

        第一次世界大戦、第二次世界大戦を経て周辺アラブ国が独立すると中東では数少ないキリスト教徒が中心の国家となった。

        元来のレバノンの領域は「小レバノン」と呼ばれ、これはオスマン帝国時代にこの地を支配したドゥルーズ派の支配地を根拠とする。

         

        長らくこの地域こそが真のレバノンとされたが、第一次世界大戦後、事実上の支配国となったフランスは元来のレバノン領域(小レバノン)を大幅に越えて、「大レバノン」と呼ばれる元来シリア領域とされるベッカー高原、レバノン北部及びトリポリ市、レバノン南部をも含めて国境線を作成した。

         

         

        これはマロン派を含めたレバノン独立運動を阻止したいフランスの分断政策の一つであった。この事がレバノン内戦を誘引する根本的な理由となった。

         

        こうした理由から、レバノンという国家そのものが人工的なものであり、宗派別で国民・国家の意識の濃淡が激しかった。

         

        具体的に言えば、独立運動を牽引したのはキリスト教マロン派と

         

         

         

        イスラム教ドルーズ派であり、

         

         

         

         

         

        この両派はレバノンに対する帰属意識が高いといわれる。

         

        一方、イスラム教スンナ派やシーア派、

         

         

        ギリシャ正教徒は

         

         

        もともと小レバノンには少なく、大レバノンに多く住んでいた。

        彼らの生活圏は元来シリアであり、ベイルートよりもダマスカスの方に帰属意識が強かったとされる。

         

        これらに対して、比較的最近になって移住してきたアルメニア人は内戦に積極的には関わらず、中立の姿勢を貫いていた。

         

        しかも、こうした宗派はレバノン国内では圧倒的な多数派を形成せず、いずれもがほぼ同じ配分で存在する宗派社会であった。

         

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        中東国家理解 レバノン編 1.中東のパリと呼ばれたベイルート

        2019.04.18 Thursday

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          中東国家理解 レバノン編 中東のパリと呼ばれたベイルート

           

           

           

           

          レバノンはアラブ諸国の中で唯一、砂漠がない国です。

          大きさは岐阜県と同じくらいで、雪山もあり、観光資源も豊富です。

           

           

           

          レバノンは第1次世界大戦後、オスマントルコからフランスに統治権が移り、フランスの領土になりました。

           

          そのため現在でも町並みはその当時の雰囲気が残っており、首都ベイルートは中東のパリといわれるほど栄え賑わっていました。

           

           

           

          しかし1975年、政権内部の主導権争いに端を発したレバノン内戦は、近隣諸国や欧米の大国など様々な勢力の介入を招き、15年も続きました。

           

          首都ベイルートの争奪戦は特に激しく、かつて「中東のパリ」と呼ばれた美しい街並は壊滅し、大勢の市民が死傷しました。

           

           

           

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          お待たせいたしました‼ 5月19日(日)中東映画勉強会決定‼

          2019.04.16 Tuesday

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